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Author:ヤツ or 甘夏
私のことなぞどうでもいい。 それよりも、めしはまだか。
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| 冷静を待ち焦がれる |
県内でやけに騒ぎになる地震は、決まって体感しないことになっている。どうせ国の陰謀なのだ。
絲山秋子の「ニート」を読み終えて、振り返ってみればなんて自分に近しいのだろうと思うわけだ。 内容に留まらず、短編五作のうち、ニートがテーマの作品が二つ、ベル・エポックという表題が一つ、 へたれが一つ、草野新平の詩に沿って展開するものが一つ、で、五つ。いわきのへたれニート的に、 作為的な何かすら感じるのだが、国が地震を捏造しないように、絲山氏だってそんなに暇ではない。
そうなんだよな、とニート当人としては思うけれども、それはニート当人が口にしていいことではなく、 そうなるとやっぱり私が何らかの形でニートでなくなり、その上で、そうなんだよな、と言わなくては、 適当ではないのだ。東大に受かりながらそれを蹴るくらいのことをしないと示しがつかないのだ。 ニート気質の人間というのは昔から大量にいて、社会の方が勝手に変遷してきただけなのだから、 これは厳密には社会問題とかいうものではなく、どちらかと言えば社会自体の問題なのだけども、 そういうことをニート自身が言っても何にもならないことくらい、いくら私だって弁えてはいるつもりだ。
祖父は日に日に異常なほどの回復ぶりを見せて、もう院内をすたすたと平気で歩き回っている。 点滴が繋がっているので付き添いは必要なのだけれども、部屋から廊下を一周したかと思えば、 今度は逆向きだといってまた歩き出す。小さな段差に点滴台が引っかかるたびにブザーが鳴って、 それを聞きつけた看護婦さんが走ってきては音を止めるを繰り返す。結局三週もして戻ってきた。 付き添ったはずの私の方がちょっとした運動をした気分でいる。誰が患者なのか分かりゃしない。
余談だが、私は看護師という呼び方が好きでない。職業として看護師というのは構わないけれど、 差別だからとかいうわけの分からない理由で、看護師という呼び方を強制されるのはたまらない。 看護師の中の特に女性を看護婦と言って何が悪いのかという気がする。誰が騒ぎ立てたのだろう。 だったらナースマンだって差別のはずだ。敬愛のこもった呼び方がどんどん無味乾燥になっていく。 看護婦と呼ばれたくない女性が看護師になろうと思うだろうか。どうもアホらしい気がしてならない。
どうせ国の陰謀なのだ。「国の陰謀」と書いて、「おろかもののとりかえしのつかないつみ」と読む。
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